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ピアノ曲全曲演奏会「シューベルトツィクルス」を展開中のピアニスト佐藤卓史がシューベルトについて語る
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8つのレントラー D378 概説

8つのレントラー 変ロ長調 Acht Ländler B-dur D378
作曲:1816年2月13日 出版:1889年
楽譜・・・IMSLP

8曲とも変ロ長調で書かれている連作のレントラーである。うち6曲(第1,2,3,4,5,7曲)はヴァイオリンのための「11のレントラー」D374に上声部のみ収録されており、第6曲もやはり1段譜の「9つのレントラー」D370(演奏楽器指定なし)の第7曲と同一である。おそらく1段譜の形でまずメモを取り、それに伴奏の和声を書き加えてピアノ用の大譜表にしたのが本作なのだろう。付けられた和声はI度・IV度・V度の3種類のみと極めてシンプルである。
前回提案した方法で、1曲ずつ分類していこう。

1. [B] ワルツ型 (=D374-1)
 分散和音の多い旋律は、いわゆるメロディックなものでは全くない。前半の伴奏型は1拍目が休符となる。
2. [B] ワルツ型 (=D374-2)
 第1曲に似て、旋律は分散和音型、前半の左手は1拍目を欠く。
3. [B] ワルツ型 (=D374-3)
 初めて右手の旋律にアーティキュレーションが現れる。8分音符2つずつのスラーはいかにもヴァイオリン風。
4. [B] ワルツ型 (=D374-7)
 楽しげなリズムのワルツである。後半はダイナミック。
5. [B] ワルツ型 (後半のみ=D374-11)
 前半は第1,2曲同様の、1拍目を欠く伴奏のスタイルに戻る。8分音符の動きは音階的。
6. [B] 前半=その他、後半=ワルツ型 (=D370-7)
 ホルン風の重音、意表を突いたアクセントが現れる。
7. [B] ワルツ型 (D374-5)
 前曲の重音を受け継いだモティーフ。伴奏型は前後半とも1拍目がなく、2拍目にやや重さがある。
8. [B] ワルツ型ドイツ舞曲型
 軽やかなワルツと、豪快なアクセントを伴うドイツ舞曲系の音楽が2小節ごとに交代する。

というわけで、すべて二部形式(B)、伴奏型はワルツ型が多く、やや起伏に乏しい曲集ということができるが、その中でも、次第にリズムやアクセントなどの要素を増やし、曲調を変えていくように編まれている。
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  1. 2016/04/05(火) 22:31:16|
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