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シューベルティアーデ電子版

ピアノ曲全曲演奏会「シューベルトツィクルス」を展開中のピアニスト佐藤卓史がシューベルトについて語る
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ヴァイオリン・ソナタ(ソナチネ 第3番) D408 概説

ヴァイオリンとピアノのためのソナタ ト短調 Sonate g-moll für Violine und Klavier D408
作曲:1816年4月 出版:1836年(「3つのソナチネ」作品137 第3曲として)
楽譜・・・IMSLP


前2作の翌月、1816年4月に書かれたト短調のソナタはより演劇的で、外向的な表現が随所にみられる。

第1楽章は付点のリズムが支配的で、晩年の歌曲『アトラス』D957-8にも似た、避けられない運命のようなものを感じさせる。やがてその緊張感は後景に退き、唐突なユニゾンで変ホ長調の第2主題が導かれるが、D384と同様に主題間のコントラストは明確ではない。
変ホ長調の第2楽章も、D384の第2楽章とよく似た三部形式の緩徐楽章。主部がモーツァルト風なところも似ているが、短い展開部の中でロ短調という遠隔調に転調し、異界の裂け目がぽっかりと口を開けているのはシューベルトの独壇場というほかない。
第3楽章は変ロ長調のメヌエット。どことなくスケルツォ風の他愛ない舞曲で、歌謡的な変ホ長調のトリオをもつ。
第4楽章はソナタ形式のフィナーレで、休符で明確に区切られたセクションごとに、互いにあまり関連のない主題が次々と登場する。結果的に、何か当てもなくさまよっているような、気ままに散歩しているような印象を与える。展開部と呼ぶにはあまりにも短く即興的なセクションを経て、この楽章でもD385の第1楽章と同様に下属調再現が試みられており、最後はト長調で元気よく終わる。
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  1. 2023/05/16(火) 22:37:58|
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