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ピアノ曲全曲演奏会「シューベルトツィクルス」を展開中のピアニスト佐藤卓史がシューベルトについて語る
次回公演詳細

崎谷明弘インタビュー (1)ハカセ太郎じゃないですけど

佐藤卓史シューベルトツィクルス第15回公演ゲストの崎谷明弘君にお話を伺いました。
長い付き合いですが会うのは9年ぶり。積もる話をいろいろと…

崎谷インタビュー1

佐藤 今日はここ(ヤマハアーティストサービス東京)でブラームスのレコーディングを終えられた直後ということで、お疲れのところすみません。
崎谷 いえいえ。ありがとうございます。
佐藤 マイクも全部自分で立てて、しかもこのあと編集も自分でするの?
崎谷 一緒にやっていたレコード会社が今忙しくなってしまって、なんとか自分でできないかと思って。
佐藤 自分でやるってすごいですね。
崎谷 いやあ、まだまだできてないんですけど。少しずつ経験を重ねて、勉強しながらって感じですね。

佐藤 最後に会ったのは…2012年?
崎谷 本当に。先輩はそのときウィーンにいらっしゃって。
佐藤 そうです。
崎谷 僕はもうヨーロッパから帰る直前だったんですけど。演奏会でちょろっとウィーンに行ったときに、ご馳走になりまして、ありがとうございました。
佐藤 いえいえ(笑)何食べたんだっけ?
崎谷 たぶんシュニッツェル?
佐藤 シュニッツェルか。僕も今そんな記憶が蘇ってきました。あのときはまだパリに住んでた?
崎谷 そうですね。
佐藤 何年間いたの? パリに。
崎谷 4年です。
佐藤 ああそうなんだ。
崎谷 ヨーロッパ4年しかいなくて。先輩はハノーファーのあとどこでしたっけ?
佐藤 そのあとウィーン。
崎谷 直接?
佐藤 うん。いつから髪型はこれになったの?
崎谷 あっはっはっは。髪はいつだっけ、一昨年ぐらいじゃないですかね。
佐藤 ああそうなんだ。
崎谷 博士論文書いて、パーマにしようかな、みたいな。
佐藤 博士の感じに。
崎谷 ハカセ太郎じゃないですけど。
佐藤 あっはっはっは!
崎谷 間違えられるんですけどね、はっはっは。
佐藤 いや、知らない間に崎谷君が爆発していたからどうしたんだろう、心境の変化があったのかなと思って。
崎谷 なんかね、ヘアスタイルをいろいろ相談して…とにかくかみさんに「坊主だけはやめてくれ」って言われて。
佐藤 (爆笑)
崎谷 最初はアフロみたいにしたかったんですけど。
佐藤 アフロ。
崎谷 それはすごい時間がかかることがわかりまして、髪にも良くないと。で、結局こんなのに落ち着いたんですけど。
佐藤 なるほど。わかりました。でもプロフィール写真はアフロっぽいよね。
崎谷 そうですね、この髪にするとセットして1ヶ月ぐらいが良い状態で、あとはちょっとハゲが見えるみたいな。垂れ下がってくるんで。
佐藤 (笑)なるほどね、髪の重さで。
崎谷 気にしてるんです。もう30になりましたからね、先輩にお会いしてたときはまだ20代前半だったのに。
2002-11-17_七尾
佐藤 僕も20代だったよ。でも一番最初に崎谷君にお会いしたのは2002年とかですよね。
崎谷 はい。七尾のとき。
佐藤 あのときは、…中学生?
崎谷 中学生でした。七尾のコンサートのコンセプトが、日本音コンの第1位と、学生音コンのそれぞれの部門の第1位を集めて演奏会しようということだったので、先輩が高3で音コン優勝されて。
佐藤 でもコンサートは次の年だったから確か僕は大学1年生だったんだよね。
崎谷 そうです。だから僕は中2ということですね。5つ離れてるので。
佐藤 そうだ。でもね、僕はその頃既に崎谷君の名前は知っていて。
崎谷 え、なんでですか?
佐藤 コンクールでなのかな、だから「ああ、これがあの崎谷君か」って思ったのを覚えてる。
崎谷 いやいや、先輩の名前はもう轟いてましたよ。もう、演奏もびっくりしましたね、あのコンサートのとき。途方もないなと思ってました。
佐藤 そんなことはないけど。で、崎谷君といえば若い頃から活躍していて、良い教育を受けてこられたんだなあっていう印象があるんだけど。
崎谷 まあ、先生方のおかげですね。
佐藤 もともとはピアノはどうやって始めたの?
崎谷 もう無理矢理やらされてただけですけどね。
佐藤 ああそうなの?
崎谷 最初はヤマハの幼児科に2年ぐらい行ってて、それからジュニア専門コースっていうのがあるんですね、ピアノを結構バリバリやるみたいな、それに進んで。だからピアノをちゃんとやったのは小1からです。
佐藤 そうなんだ。
崎谷 でも、ピアノの道に進むかずっと迷ってたんですけど。
佐藤 じゃあこどもの頃からピアノ一筋というわけでも。
崎谷 高校ぐらいまで、勉強で行こうかなっていう思いもありましたね。でもPTNAの特級のときに、ジャック・ルヴィエ先生が審査にいらっしゃってて。
佐藤 はい、はい。何か賞をもらったんだよね?
崎谷 ルヴィエ賞。ルヴィエ賞っていうのは、ルヴィエ先生のレッスンを受けられるという権利で。
佐藤 ほうほう。
崎谷 そこで レッスンしていただいて。ルヴィエ先生はとても理論立てて教えて下さるので、非常に新鮮でしたね。それまでの先生にもすごくお世話になってきたんですけど、どちらかというと感覚的におっしゃる方が多かったので。ルヴィエ先生みたいな先生のところで勉強できるなら、賭けてみてもいいのかなと思って、パリへ。
佐藤 いくつのときに留学したの?
崎谷 19ですかね、高校卒業して、1年間ルヴィエ先生の枠が空いてなかったので、次の年に入試受けて。
佐藤 ふむふむ。じゃあほぼ大学の、学部生の時期をパリで過ごしたと。
崎谷 はい。それからなんとかここまで、止めどきを失って、と言ったら怒られるかもしれないですけど、続いてしまったのかもしれないです。
佐藤 その感じは僕もあるなあ。ルヴィエ先生の教えで今すごく残ってるものってありますか?
崎谷 ルヴィエ先生のレッスンは、いわゆる基礎的なこと、「高度な基礎」って僕は呼んでるんですけど。
佐藤 高度な基礎。
崎谷 ピアノをどう弾くのか、というよりもまず楽譜ですよね。楽譜に忠実であるということ、一口では難しいんですけど、まずは正確に表現できるか。たとえば4分音符の長さはどこまで伸ばすのか。フレーズ、アーティキュレーションをどのように表現するか、たとえばスラーはきちんと閉じなければいけないし、スタッカートの書いていないところで、たとえば2音にスラーがかかっていたときに後ろの音符がスタッカートになってしまわないとか。具体的ですけど。
佐藤 はいはい。
崎谷 非常に単純なことなんですが、それらを組み合わせていく、さらに音楽の流れの中で実現するというのは、すごい難しいことだと思うんです。
佐藤 確かに。
崎谷 だから「高度な基礎」と言っているんですけど。そういう点で、楽譜を見たときに、困らなくなりましたね。だいたいこういうふうに弾くんだっていう想像がつくんで。そこからさらにもう一歩二歩、音楽的なこととか、背景がどうとか、そういうことも考えていかなきゃいけないんですけど、まずは基礎がしっかり入っていることが大事であると。

第2回へつづく)
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  1. 2021/11/24(水) 22:11:48|
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