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シューベルティアーデ電子版

ピアノ曲全曲演奏会「シューベルトツィクルス」を展開中のピアニスト佐藤卓史がシューベルトについて語る
次回公演詳細

[告知] シューベルトツィクルス第20回「4手のためのソナタⅡ ―1824年、ツェリスにて―」

2024年6月19日(水) 19時開演 東京文化会館小ホール  ゲスト:中桐望(ピアノ)*
♪17のレントラー D366
♪4つのレントラー D814 *
♪創作主題による8つの変奏曲 変イ長調 D813 作品35 *
♪4手のためのソナタ ハ長調 D812 作品140「グラン・デュオ」*
一般4,000円/学生2,000円 →チケット購入
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  1. 2024/06/19(水) 19:00:00|
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[告知] シューベルトツィクルス第19回「ピアノ・ソナタⅥ ―ベートーヴェンの影―」

シューベルトツィクルス第19回チラシ
2023年10月27日(金) 19時開演 東京文化会館小ホール
♪アレグレット ハ短調 D915
♪ピアノ小品 ハ短調 D916C(未完・佐藤卓史による補筆完成版)
♪ピアノ・ソナタ 第12番 ヘ短調 D625+D505(未完・佐藤卓史による補筆完成版)
♪ピアノ・ソナタ 第19番 ハ短調 D958
一般4,000円/学生2,000円 →電子チケットteketで購入
  1. 2023/10/27(金) 19:00:00|
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[告知] シューベルトツィクルス第18回「ヴァイオリンとピアノのためのソナタ」

シューベルトツィクルス第18回
2023年5月17日(水) 19時開演 東京文化会館小ホール  ゲスト:林悠介(ヴァイオリン)
♪ヴァイオリンとピアノのためのソナタ(ソナチネ) ニ長調 D384 作品137-1
♪ヴァイオリンとピアノのためのソナタ(ソナチネ) イ短調 D385 作品137-2
♪ヴァイオリンとピアノのためのソナタ(ソナチネ) ト短調 D408 作品137-3
♪ヴァイオリンとピアノのためのソナタ(デュオ) イ長調 D574 作品162
一般4,500円/学生2,500円 →チケット購入
  1. 2023/05/17(水) 19:00:00|
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林悠介インタビュー (4)きっとチャンスだと思って

(第3回はこちら)

佐藤 それで聞こうと思ったんだけど、オケの人たちにとってシューベルトの曲をやるっていうのはどんな感じなのかなと。どういう反応っていうか。
林  反応。
佐藤 まず、結構やるものなの? ドイツだとたまにやるとか。
林  シューベルトはやっぱりそれなりに、といってもよく弾くのはなんといっても「未完成」。日本ほどは弾かないけど。日本は結構弾くよね、未完成。
佐藤 日本はまあそうだね。
林  読響はよく弾くんだけど。あと「グレート」とかね。
佐藤 うん。「グレート」になるとちょっとやっぱり回数としては少ないかなと。
林  そんなにしょっちゅう弾くものではないね。長い曲だし。僕はシューベルトが好きだから楽しいんだけど、ただ例えば「グレート」にしても、繰り返しっていうかひたすらぐるぐるぐるぐる…
佐藤 反復が非常に多い(笑)
林  お経を唱えてるようなところ(笑)。まあそれが心地いいんだけど、ちょっとしんどいところもないわけじゃないけど。コンサートで弾けば良さって、伝わってくると思うんだけど。
佐藤 逆にそれより前のシンフォニーとかってやることある?
林  時々。5番は美しくて特に印象に残っているな。だけどどうだろう、僕にとってはオーケストラの作曲家っていうよりも、どっちかというとピアノ曲とか歌曲とか、室内楽とか、そういうところでより良さが伝わってくるような。シューベルトらしさというかね。
佐藤 確かにね。歌曲はやっぱり独特で、彼が始めた、創始したジャンルみたいなところがあるから、もちろんメロディーも素晴らしいんだけど。でも本人的にはやっぱりシンフォニーと書きたかったらしいんだよね。
林  らしいよね、でもなんせまあ、ベートーヴェン様っていうのがいたし。
佐藤 まあ書いたところでなかなか演奏もされないし。でもどうやらその初期のシンフォニーは、当時ハトヴィヒっていうパトロンみたいな人がいて、その人がオーケストラ持ってて、その邸宅で初演したっていう話で。だからシューベルトが自分で指揮するなり、少なくともたぶん聴いたはずだと。ところが今演奏されてるその「未完成」とか「グレート」とかいうのは、生前には少なくとも演奏されてないんだよね。
林  うーん。
佐藤 だから楽譜は書いたけれども、実際に耳にすることはなかったんだろうといわれている。最後の「グレート」に関しては、楽友協会から、何か弾いてあげるから楽譜を出しなさいって言われて、書いて出したんだけれども、結局却下されて。で、その演奏会の前に本人は死んじゃうんだけれども、実際に演奏されたのは6番だったかな、C-durの違うシンフォニーで。だから結局「グレート」もその後ずっとお蔵入りになって、シューマンが発見するまで10年間ぐらいそのままだったというから、不運というかね。まあそういう曲はたくさんシューベルトの場合あるんだけど。
林  もうちょっと長生きっていうか、長生きとまでいかなくてももう少し生きていれば、大きな曲ももっと作れたかもしれないよね。
佐藤 そうだね、やっぱりキャリアを積むには、あまりにも人生が短かったとは思う。
林  もう少し生きていたらどういうふうになってたんだろうなって考えると、面白いけど。



佐藤 今回は、ヴァイオリンとピアノのソナタっていうか、多楽章構成のものをお願いするということで、全部で4曲あるわけだけど、何か印象とか。
林  シューベルト好きな割にはそこまでたくさん弾いてきたわけじゃないから、オールシューベルトで、さらにソナチネとソナタで固めるプログラムで、もう本当に大好きな、美しい曲なんだけど、果たしてこのプログラムで曲の魅力をうまくお客さんに伝えられるだろうかという不安はあった。でも実際に練習してみたり、合わせてみたりすると…このソナチネ3曲は同じ年に書いてる。
佐藤 そうだね。
林  だけど、1番・2番・3番で全然違うしね。後半のグランデュオは、翌年かな?
佐藤 そう。
林  同じ時期に書いた曲をいろいろ聴き比べられるのも面白いかもしれない。19歳・20歳で書いたとは思えない、深い部分もあるし。すごく楽しみになってきた。なかなかの挑戦ではあるんだけど。
佐藤 なんか本当に、こんなプログラムにお付き合いいただいてありがとうございます。なかなかやってくれる人いないと思うんだよね(笑)。毎回そうなんだけどこのシリーズにお呼びする人は結構いろいろ考えてお声がけしていて。今のところまだ断られたことはないんだけど、最初に話すと「えっ?」みたいな感じで。
林  自分ではなかなか言い出せないプログラムだよね、よほど自信があるとかじゃないと。
佐藤 ヴァイオリンのソリストでも、シューベルト4曲でって言われたら「へぁ?」みたいな感じじゃないかと。
林  「ちょっとそれは…」って人がおそらく多いんじゃないかな。でもやっぱりお互いウィーンつながりっていうこともあるし、やっぱり長年ウィーンに住んだ身としてはすごく価値ある挑戦かな。これは逃げてはいけないな。これはきっとチャンスだ、と思って取り組むことにしました。お声がけありがとうございます。
佐藤 じゃあ良い演奏会になるように。よろしくお願いします。

(インタビュー完・2022年10月25日、さいたま市にて)
  1. 2023/05/12(金) 23:45:04|
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林悠介インタビュー (3)コンマスのお仕事

(第2回はこちら)

佐藤 そこ(レックリングハウゼン)はどんな感じでした? オケの仕事としては。
林  合併したオケだったから、人数多くて130人ぐらいいて。日本にも似たようなオケがあるけど、二つの部隊に分かれて並行してやるようなところだった。
佐藤 へえ。
林  とにかく忙しくて、当時は。シンフォニー中心の定期演奏会は、周辺の小さな街でも行われたから回数が多かったし、もちろん歌劇場でのオペラ、ポップスコンサート、あと各地の教会で所属の合唱団との宗教音楽コンサート、ネトレプコなどの有名歌手とのガラコンサートでドイツ中回ったりもした。僕がオケの曲全然知らなかったのもあるんだけど、もう次から次へとひたすら譜読みで。そういう意味では大変だったけど、すごく鍛えられていい経験にはなったと思う。色々な曲弾けたからね。それこそオペラは、初めて弾くオペラが「サロメ」で。リヒャルト・シュトラウスの。
佐藤 (笑)そりゃまた大変だな。
林  それが最初の仕事だったかな。「はい、まずはサロメお願いします」って。
佐藤 いきなりハイレベルなところから始まった。
林  最初のオケの曲はブルックナーの9番だった。それもまたマニアックな曲で。
佐藤 (笑)まあブルックナーはオーストリアではおなじみですけど。
林  その後ハノーファーに移って。
佐藤 あ、その次がハノーファーなんだ。
林  そう。NDRっていう、北ドイツ放送の所属のオーケストラで、そこは第1コンサートマスターじゃなくて、副コンサートマスターだったんだけど。そこは僕がハノーファーのヴァイオリンコンクールを受けたときに、本選でそのオケがブラームスの協奏曲を伴奏してくれて、すごく良かった記憶があって。より世界的なソリストとか、有名な指揮者が来るオケだったから、それを経験したいという気持ちもあって、移った。充実した2,3年間だったんだけど、当時結婚して子供ができて、でも妻の所属しているオーケストラが遠くて通うには難しい距離で。
佐藤 うん。
林  ちょうど妻が働いてた街の近くのオーケストラ、ヴッパータールの第1コンサートマスターがずっと空いてると聞いて。それに僕自身もやっぱり第1コンサートマスターをまたやりたい気持ちがあったから、オーディションを受けたら受かって。その後4年間ほど在籍していたよ。
佐藤 じゃあドイツは3箇所。
林  3箇所だね。3つのオケを合わせて9年間。だからウィーンも9年、ドイツも9年。
佐藤 すごいな。それで帰ってきたのは去年(注・2021年)かな?
林  そうだね、縁があって読響からコンマスのお誘いを受けて。

林悠介インタビュー3

佐藤 これはどこまで聞いていいのかわからないけど、日本のオケで2年ぐらいやってみて、ドイツ時代と働き方って結構違うものですか?
林  うーん、そうね。
佐藤 どんなところが違う?
林  もちろんドイツもいろんなオーケストラがあるから、一概に言えないとは思うんだけど。ドイツのオケの方が、割と時間をかけてリハーサルするっていうか、リハーサル日程に余裕がある感じはあるかな。回数も多いし。
佐藤 そうなんだ。
林  それもね、日数があると団員も最初ちゃんと準備してこなかったりするから、割とスロースタートな感じはある。最初好き勝手に弾いていて、最後の方になってぐわーっとまとまってくる。まとまらないこともあるけど(笑)。そういう感じ。
佐藤 そうなんだ。
林  あとプログラムも違うかな、結構。プログラムの内容も。
佐藤 曲はそうだろうね。
林  指揮者(シェフ)にもよると思うけど、ドイツは全体的にはあんまりロシアものをやらない
佐藤 ああ、確かにその印象はあるかもね。
林  今の戦争は関係なくね。だから日本のオケの人は暗譜するほど弾いていると思う、チャイコフスキーの4番5番6番とかも、1回弾いたことあるかな、くらいの感じで。
佐藤 あっそうなんだ。
林  第九とかもね、それこそドイツのオケはそんなに弾かないから。何年かに1回。
佐藤 まあ第九は、日本は毎年やらざるを得ない。
林  「新世界」も滅多にやらない。
佐藤 あっそう?
林  7番8番は意外に弾くんだけど、9番は滅多にやらない。
佐藤 なんでなんだろうね。なんでこんなに日本人は9番が好きなんだろう。逆にドイツのオケでこれはしょっちゅうやるとかっていうのはある?
林  というのはなかったかな。もちろんその土地のお客さんの好みの傾向はあったけど、お客さんを飽きさせないように、新しい発見があるようにと多種多様なプログラムが組まれていた気がする。
佐藤 僕はドイツのオーケストラの定期演奏会とかあんまり聴いたことないからわからないんだけど。そう言われれば、なんかブラームスとかよく見たような気が。
林  あ、それこそハノーファーはブラームスよくやる
佐藤 やっぱりそうなの?
林  ハノーファーっていうか北ドイツのものという意識が。
佐藤 ハノーファーはゆかりがあるらしくて、確かブラームスのピアノコンチェルト1番ってハノーファーで初演したっていう。
林  すごい弾いた、あれは。
佐藤 そうでしょ(笑)
林  3年間で5回ぐらい弾いた、日本の新世界なみに。「あれ、また?」みたいな。それでお客さんも入るんでね。ブラームスだとすごい入る。すぐ売り切れる。
佐藤 ハノーファーの駅のすぐ近くにヨアヒムシュトラーセ(ヨアヒム通り)っていうのがあって、そこにヨアヒムが住んでたのかどうか知らないけど、とにかくヨアヒムはずっとハノーファーにいたので、それこそコンクールもヨアヒムコンクールなわけだ(注・ハノーファー国際ヴァイオリンコンクールの正式名称はInternationaler Joseph Joachim Violinwettbewerb, Hannover)。それでブラームスがコンチェルトを書いたときに、まだ当時はブラームスってたいしたキャリアがあったわけじゃないので、ヨアヒムがだいぶ尽力して。ブラームスとしてはあれがほぼ初めての大編成の作品で、その初演をハノーファーでやったっていうんで、なんかハノーファーの音楽家からするとそれが誇りらしくて。
林  そうなんだ。ピアノコンチェルト1番、あとシンフォニー1・2・3・4は弾いたね。確かにハノーファーではブラームスはやった。
佐藤 自分たちのものだと思っているんだろうね。ご当地もの。
林  そうだね。オケも得意だったし、いっぱい弾いてるっていうのもあるんだろうけど。

(つづく)
  1. 2023/05/06(土) 20:50:26|
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