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シューベルティアーデ電子版

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2つのレントラー D980B 概説

Brown, Ms. 16  2つのレントラー 変ホ長調  Zwei Ländler in Es
タイトル:Ländler
日付:なし
所蔵:シュタイアー合唱協会

2つのレントラー Zwei Ländler D980B
作曲時期不明 出版:1925年
楽譜・・・IMSLP

独立した自筆譜(Brown, Ms. 16)として残されているこの2曲はかつてはD679を与えられていたが、作曲時期不詳のため1978年の目録改訂時に現在の枝番号に落ち着いた。裏面は他人の記譜練習に用いられているという。

1. 変ホ長調 [B] メヌエット型ドイツ舞曲型
全編を通じてメロディーが3度で重ねられていること、またA部は左手もト音記号で記譜されているように高音域に偏っていることが特徴である。
ブラウンが指摘した通り、このレントラーは「12のドイツ舞曲」D420の第10曲(イ長調)とほぼ一致している。かつてシュパウン家が所有していた筆写譜(後に消失)には1816年という作曲年が記録されており、ブラウンはこれをもとに成立年代を推測しているが、新全集はより慎重な立場を取っている。

2. 変ホ長調 [B] ワルツ型ドイツ舞曲型
起伏の多い器楽的な旋律線とI・Vの交替のみのシンプルな和声は確かにレントラーの特徴を帯びている。
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  1. 2022/04/12(火) 15:56:16|
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